| 販売名 | カデックス軟膏0.9% |
| 一般名 | ヨウ素 |
| 製造販売 | スミスアンドネフュー |
| 適応症 | 褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍) |
| 用法・用量 | 通常潰瘍面を清拭後1日1回創面に直接塗布する 滲出液が多い場合1日2回塗布する |
| 薬価 | 55.4 円/g |
| 包装 | 40gチューブ、100gボトル、500gボトル |
カデックス軟膏は褥瘡や皮膚潰瘍の治療に用いられます。
日常診療だと
- 褥瘡外用薬
- 体感四肢の潰瘍への外用薬
として用いられています。
潰瘍面における滲出液吸収・吸着作用があり、ヨウ素の殺菌作用を含め潰瘍治癒促進効果を示します。
ビーズが残るので使用後は洗い流す必要があります
目次
褥瘡とは
褥瘡の原因
圧迫により血流障害のため、皮膚および皮下組織に壊死が生じる。活動性の低下や知覚障害、低栄養状態など様々な要因が重なって褥瘡が生じると考えられている。
仙骨部、坐骨、足関節部に好発する。紅斑、浮腫、硬結を生じ潰瘍となり、深いものでは骨に達する。関節内や直腸に達する場合もある。
褥瘡の重症度
褥瘡の経過評価スケールとして:DESIGN-R があります
| Depth 深さ 創内の一番深いところで評価する | ||
| d | 0 | 皮膚損傷・発赤なし |
| 1 | 持続する発赤 | |
| 2 | 真皮までの損傷 | |
| D | 3 | 皮下組織までの損傷 |
| 4 | 皮下組織を超える損傷 | |
| 5 | 関節腔、体腔に至る損傷 | |
| DTI | 深部損傷褥瘡疑い | |
| U | 壊死組織で覆われ深さ判定不能 | |
| Exudate 浸出液 ドレッシングの交換回数 | ||
| e | 0 | なし |
| 1 | 少量:毎日のドレッシング交換を要しない | |
| 3 | 中等量:1 日 1 回のドレッシング交換を要する | |
| E | 6 | 多量:1日2回のドレッシング交換を要する |
| Size 大きさ 皮膚損傷範囲を測定 [長径(㎝)×長径と直交する最大径(㎝)]/cm2 | ||
| s | 0 | 皮膚損傷なし |
| 3 | s<4 | |
| 6 | 4≦s<16 | |
| 8 | 16≦s<36 | |
| 9 | 36≦s<64 | |
| 12 | 64≦s<100 | |
| S | 15 | 100≦S |
| Inflammation/Infection 炎症/感染 | ||
| i | 0 | 局所の炎症徴候なし |
| 1 | 局所の炎症徴候あり (創周囲の発赤・腫脹・熱感・疼痛) | |
| I | 3C | 臨界的定着疑い |
| 3 | 局所の明らかな感染徴候あり (炎症徴候・膿・悪臭など) | |
| 9 | 全身的影響あり (発熱など) | |
| Granulation 肉芽組織 | ||
| g | 0 | 治療あるいは創が浅いため肉芽形成の評価ができない |
| 1 | 良性肉芽が創面の 90%以上 | |
| 3 | 良性肉芽が創面の 50%以上 | |
| G | 4 | 良性肉芽が創面の 10%以上 50%未満 |
| 5 | 良性肉芽が創面の 10%未満 | |
| 6 | 良性肉芽が全く形成されていない | |
| Necrotic tissue 壊死組織 混在している場合は全体的に多い病態をもって評価する | ||
| n | 0 | 壊死組織なし |
| N | 3 | 柔らかい壊死組織あり |
| 6 | 硬く厚い密着した壊死組織あり | |
| Pocket ポケット 毎回同じ体位でポケット全周(潰瘍面も含め)[長径(㎝)×短径(㎝)] から潰瘍の大きさを差し引いたもの | ||
| p | 0 | ポケットなし |
| P | 6 | P<4 |
| 9 | 4≦P<16 | |
| 12 | 16≦P<36 | |
| 24 | 36<P | |
褥瘡の治療
治療の基本は以下の3つがありますが、最も中心となるのは圧迫の除去です。
- 皮膚潰瘍治療薬:フィブラスト、アクトシン、プロスタンディンなど
- 抗菌薬含有軟膏:ゲーベン、イソジンゲル、カデックスなど
- 陰圧閉鎖療法:VACなど
- デブリードマン
創部の状態に合わせて上記治療を適宜使い分けます。
褥瘡の予後
予後は重症度評価のDESIGN-R分類の点数が高いほど悪いとされています。
治癒期間がDESIGN-R分類で予測できるとの報告もあります。
費用
カデックスの薬価は55.4円/g(2023/4/1)です
それぞれの容器に直すと
| 規格 | 値段 |
| 40g | 2216円 |
| 100g | 5540円 |
| 500g | 27700円 |
まとめ・あとがき
カデックス軟膏はこんな薬
- 褥瘡や皮膚潰瘍に用いる外用薬
- ヨウ素の殺菌作用と滲出液吸着作用があり皮膚潰瘍に効果がある
- 使用後は洗い流す必要がある
以上、今回はゲーベンクリームについて解説しました
引用文献・資料等
- あたらしい皮膚科 第3版
- ゲーベンクリーム添付文章
- 今日の皮層疾患治療指針 第5版
- 創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン2018





